【社長の独り言】No.16「職場巡視のポイントと進め方について」
▪️職場巡視のポイントと進め方について
産業医の職場巡視では、作業環境の安全性や衛生状態の確認、過重労働やメンタルヘルス不調の兆候把握、法令遵守状況の確認、そして事業場に応じた災害防止策の検討が主なポイントです。
巡視後は必ず記録を残し、改善策の計画と実行、効果の確認を継続することが重要です。
<巡視のポイント>
労働災害の防止:
どのような作業にどのような労働災害が起こりうるかを具体的に想定し、現場の状況と照らし合わせます。
心身への悪影響チェック:
長時間労働、ストレス、物理的な危険な箇所がないかを確認し、従業員の健康状態や働きやすさを阻害する要因がないかをチェックします。
作業環境の確認:
温熱環境、照度、VDT作業環境、機械の安全性、トイレ・休憩室の衛生状態など、物理的な環境の整備状況を確認します。
衛生管理の徹底:
整理・整頓・清掃・清潔の4S(基本衛生管理)が適切に維持されているかを確認します。
法令遵守状況:
作業環境測定の実施、保護具の適切な使用、健康診断の適切な実施と保健指導が行われているかを確認します。
<巡視の進め方>
計画の作成:
年間計画を立て、巡視の目的と実施場所を定めます。
事前準備:
過去のストレスチェック結果、健康診断結果、作業環境測定結果、衛生委員会での議事録などを確認し、リスクを把握します。
現場の巡視:
事業内容や作業方法に合わせたチェックリストを使用し、実際に作業スペースだけでなく、トイレ、休憩室なども含めて確認します。
報告書の作成:
確認した内容、危険箇所、改善が必要な点を記録し、具体的な改善策、実施者、期限を記載した報告書を作成します。
フォローアップ:
報告書を衛生委員会などで審議し、改善策の実施状況を継続的に確認します。
<巡視を効果的に行うための追加ポイント>
悪い点だけでなく良い点も見つける:
現場の良い点も発見することで、従業員の士気向上や継続的な改善に繋がります。
多くの従業員と顔を合わせる機会とする:
職場巡視は、多くの従業員に産業医の存在を知ってもらう機会でもあり、相談しやすい環境づくりの一助となります。
事業場の実態を正確に把握する:
事業内容や労働者の労働状況を理解することで、より適切な指導・サポートが可能になります。
厚労省HPにある職場巡視チェックリストを利用したりして要点を確認するようにしていくと効率的です。
ご相談やお困りのことなどありましたら、一度wellancにお問合せください。
次回:記録の保管について