「たるんでいる」で片付ける危険性。メンタル不調放置による【安全配慮義務違反】の判例について【社長の独り言】No.144
月曜日のブログでは、9月に急増する「勤怠の乱れ」や「離職・休職の予兆」についてお話ししました。
お盆明けから遅刻や欠勤が増えた社員に対して、現場の管理職が「連休の気が抜けてたるんでいる」「本人の自己管理が足りない」と一蹴してしまうケースは少なくありません。
しかし、こうした対応を誤ると、企業は多大な法的賠償責任を負うリスクが生じます。
裁判例においても、従業員の不調や過重労働を認識しながら適切な措置(面談や業務軽減)を怠った企業に対し、「安全配慮義務違反」として数千万円規模の損害賠償を命じる判決が相次いでいます。
東芝事件(最高裁): 業務過多によるメンタル不調の兆候(勤怠の乱れ等)を察知しながら、適切な業務調整を行わなかったとして企業の賠償責任を認定。
日本システム開発事件: ITエンジニアの過酷な勤務実態とメンタル不調を放置し、休職から退職へと至ったケースで安全配慮義務違反が認められた。
経営者や人事が認識すべきなのは、「勤怠の乱れを放置することは、会社にとって巨大な経営リスクである」という事実です。
「本人が何も言わないから大丈夫」ではなく、SOSを早期にキャッチして業務調整や専門職によるケアを行うことが、会社と社員の双方を守る第一歩となります。
次回(金曜日)は、勤怠の乱れから「突然の休職」に入ってしまう心理ステップについて解説します。
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